
行政書士試験で商法を捨てるべきって意見があるけど、
実際捨ててもいいのかな?
他の法令試験科目に比べて、出題数が少ないし…。
その分、他の法令試験科目に時間を使った方がコスパがよくない?
この記事は、上記の疑問に答えるものです。
この記事を最後まで読めば、以下のことがわかります。
・行政書士試験で商法を捨てない4つの理由
・行政書士試験の商法・会社法の出題傾向と勉強法
筆者のプロフィール
はじめまして、当ブログ管理人のエビスと申します。
私は、とある地方都市で運送業許認可専門の行政書士事務所を経営しています。
早稲田大学法学部を卒業し、旧司法試験を受けていました(択一合格あり)。
大学での専攻は民法の債権法の中の契約法でした。
司法浪人中に、法学部卒とはいえ、現在よりも一般知識の比重が高く論文もあった時代に、2ヶ月程の勉強で合格したので、記事にはある程度の信ぴょう性はあるかと思います。
結論から言うと、「行政書士試験で商法は捨てるべきではない」というのが、私の考えです。
確かに、商法は範囲が広く(商法総則・商行為が1~31条、501~850条、会社法が979条)、それに反し出題数は5問(20点)とコスパが悪く感じます。
しかし、以下の4つの理由から商法は捨てるべきではないと私は考えます。
行政書士試験で商法は捨てるべき?
行政書士試験で商法を捨てない4つの理由は以下のとおりです。
・基本的なことしか出題されない
・3問は取れる
・実務で必要
・捨てたことが気になってストレス
・基本的なことしか出題されない
過去問を見てみると、出題されるのはほぼ基礎知識のみです。
「基礎知識とは何か?」とお思いになった方もいらっしゃるでしょう。
取り合えず、ここでは、「主な市販テキストに共通して載っている知識」としておきます。
司法試験のような深い知識や細かい知識が出題されることはなく、本当に基本的な知識のみが問われます。
取敢えず、テキストを読み込み、過去問や模試で出てきた知識をテキストに追加していくスタイルがオススメです。
この記事のタイトルにもなっているように、「捨てる・捨てない」とネットで議論になるくらいなのですから、それほど力を入れずに、テキスト+過去問+模試で、他の受験生に後れを取ることはないはずです。
・3問は取れる
私が、ざっと数年分の過去問を解いてみたところ、3問は取れるという感触です。
会社法は、憲法と構造が似ていますし、商行為・総則は民法の応用という面が強いところです。
最初は取っ付きにくいかもしれませんが、憲法も人権と統治機構の関係が分かると面白くなるように、会社法も、株式と機関の関係が分かってくると、面白くなってきます。
会社法では、所有と経営の分離やそれを実現するための会社の機構を、商行為・総則では取引の安全の重視など基本事項をしっかり押さえましょう。
・実務で必要
建設業や運送業の許認可を扱うと、許認可にとどまらずコンサル的な仕事もこなすことが多くなります。
その時に、商法の中でも会社法の知識がなければ、コンサルティングができません。
なぜなら、役員の変更など会社の組織に関する相談を受けることが多いからです。
例えば、代表取締役である父親が引退し息子が会社を継ぐケースなどです。
そのためにも、商法を捨てずにしっかり勉強しましょう。
・捨てたことが気になってストレス
それでも捨てろという人が一定数います。
捨てろ派の理由は以下のとおりです。
これらの主張には以下のような反論が考えられます。
私の結論は、やはり捨てるべきではないということになります。
しかし、例外的にあえて捨てた方がいい人たちもいます。
それは以下に該当する人たちです。
・全くの初学者で、行政法と民法の勉強が遅れている人
・初学者ではないが、行政法と民法の過去問正答率が80パーセント以下の人
これらの人は、基礎力が足りていないので、先ず行政法と民法の勉強に注力すべきです。
商法・会社法の出題傾向と勉強法
出題形式
5肢択一式のみ
出題数
5問で、商行為・総則が1問、会社法が4問
傾向
商法は、商行為からの出題が圧倒的に多いですね。
会社法は、設立と株式譲渡、機関では株主総会と取締役・取締役会・代表取締役が多いですね。
意外と、計算が出ているので要注意です。
まとめ
ざっくりと、商法を捨てない理由について解説してきました。
幾つか代表的なテキストを読みましたが、どのテキストもおおむね20~30ページ程度なので、しっかり読み込みましょう。
何度か、資格試験はマラソンであり、合格者の多数派がやっていることをやらなければ、脱落していくと言いました。
おそらくですが、合格者の多くは商法を捨てていないのではないかと、エビスは考えています。
私の考えが正しければ、商法を捨ててしまった人は、かなり不利になるということです。
「試験においては、多数派に乗れ!」と、最後にもう一度、繰り返しておきます。
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